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2019年7月25日
画材講習会 ウインザー&ニュートン(透明水彩)編
2019年7月30日

画材講習会 リキテックス(アクリル絵具)編

お客様に尋ねられたときに、正確にわかりやすく商品の特徴をお伝えするというのが販売員に求められる重要なお仕事の一つです。そんな商品知識の引き出しを増やすべく、レモン画翠では各メーカー様にご協力いただいて社内講習会を開催しています。
今回はバニーコルアート株式会社の井上様を講師にお迎えして、リキテックス編とウィンザー&ニュートン編の2回講習会を行っていただきました。その内容をまとめましたので、少しでも皆様が各画材を使用する際の参考になれば幸いです。
※このページ内2章以降で単に「絵具」と表記している場合は基本的に「アクリル絵具」を指します。

1.「絵具」ってなんだろう?

絵具は大まかにいうと「ピグメント(顔料)」と「バインダー(接着剤)」を組み合わせたものです。そのバインダーの種類によって絵具のジャンルが異なってきます。
・顔料+アラビアゴム(水によく溶ける)=透明水彩
・顔料+乾性油(乾きにくいが乾くと耐水性)=油絵具
・顔料+にかわ(動物性コラーゲン)=日本画絵具
今回のメインテーマである「アクリル絵具」は「アクリル樹脂」がバインダーとなった絵具です。写真はアクリル樹脂を固めたもの。握ってもシワがつかない伸びやかなビニールのような触感でした。

アクリル樹脂IMG_2172
2.アクリル絵具の歴史

アクリル絵具の誕生は1920年代のメキシコ革命の壁画運動に端を発した「屋外でも早く乾く耐水性絵具」へのニーズが高まった事によるものでした。
1940年代に溶剤系の合成樹脂の絵具が誕生し、のち1955年ヘンリー・レビソン博士によってより安全な水溶性のアクリル絵具の開発に成功、「リキッド(液体)」+「テクスチャー(質感)」という言葉を組み合わせて「Liquitex(リキテックス)」というアクリル絵具の『はじまりのブランド』が誕生しました。

3.アクリル絵具の特徴

乾燥が早い:72時間で完全乾燥、通常の描画使用ならば2〜3時間でほぼ乾燥します。
水溶性から耐水性へ:水で溶くことができますが、一度溶いて乾かすと耐水性になります。
 (なので筆はしっかり洗うこと!乾くと落ちなくなります。)
柔軟な塗膜による高い耐久性:アクリル樹脂ののびやかで破れにくい特徴が絵具にも反映されています。
様々な素材への定着:紙・布・木・発泡スチロールなど様々な素材に描くことができます。ただし金属やガラス、プラスチックのような一般的に「水分が染み込まない」素材の場合、(描くことはできるけれど)剥がれてしまいます。
耐光性が高い:主成分が顔料なので染料系による彩色に比べて、色あせしにくいのが特徴です。写真は染料系のインクで塗ったものとの比較で、半分隠した状態で太陽光に長時間さらした結果です。一番上の濃い赤がアクリル絵具を塗布したもの。

耐光性IMG_2188
4.リキテックスのアクリル絵具ラインナップと使用感

(*はレモン画翠1Fで現在取扱っている商品。取り扱いのない商品は最小ロットからお取り寄せできます。)


5.アクリル絵具のデメリット

乾燥による色の変化:絵具に使用しているアクリル樹脂が「乳白色から乾くと透明になる」性質のため、乾燥前後で色が変わってしまいます。なので中断して翌日続きを描く場合、すでに塗ってある色を参考に絵具を作ると、乾燥後に色の違いがでてしまうことも。気になる場合は色の境目で作業を中断する、最初に必要な分の色を作っておく、などの工夫が必要かもしれません。
乾燥後に絵具が痩せる:油絵具はバインダーの油が酸化して乾燥するのに対して、アクリル絵具は水分が蒸発して乾燥するため、その分少し体積が減ってしまいます。
(ガッシュの場合)乾くとひび割れしやすい:写真参照。赤い方(ガッシュ)にひび割れが入っています。これは絵具にマット剤が入っているため、通常のアクリル絵具と比べて樹脂の含有量が少なく、絵肌に顔料が露出している状態なのでひび割れやすいのだそうです。この弱点を補った製品がガッシュ アクリリックプラス(オレンジ色の方)で、ガッシュの性質を持ちつつ、ひび割れにくい絵具になっています。

ひび割れIMG_2185
6.ジェッソ、メディウム、テクスチュアジェルの使用感

(*はレモン画翠1・3Fで現在取扱っている商品。取り扱いのない商品は最小ロットからお取り寄せできます。)

絵具と混ぜて使うと面白い効果があるジェッソやメディウム類をいくつか体験させていただきました。
もちろんこれらの製品を使用しなくても作品は作れますが、使用することで表現の幅がぐっと広がりますので、気になる効果のものがありましたら容量の小さいサイズでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ジェッソ:絵具の発色や定着を良くするための下地剤です。アクリル絵の具以外の画材(水彩、油彩絵具など)にも使用でき、絵具の代わりとしても使用できます。(逆に絵具はジェッソの代わりにはできません。)
メディウム:アクリル絵具に混ぜることでツヤを出したり、ツヤを消したり、乾燥を遅らせるなど様々な効果をもたらす添加剤です。
テクスチュアジェル:画面を盛り上げて立体的にしたり、アクリル絵具に特殊なテクスチャを加えることができるメディウムです。単体でも使用可能で、絵画以外でも模型やジオラマ制作など多方面に利用されています。






7.リキテックス編まとめ

アクリル絵具については最低限の知識はあったものの実際に使ったことがありませんでした。今回の研修で初めて触ってみて、(絵具の発色が良いせいか)メディウム類は少し混ぜただけでもしっかり色がついてしまうことや、モデリングペーストを思った通りの形にするのが意外と大変なことを実感として知ることができました。
アクリル絵具で描かれる作品の多くはその隠蔽力や立体感を活かした独特の世界観を持つものが多いように思います。ちょっと癖があるけどハマる人は極めてしまう魅力のある画材なのかもしれません。
メディウム類だけでも相当面白いので気になった方にはぜひ一度触っていただきたい画材です。

リキテックスのアクリル絵具、ガッシュアクリリックプラス、マーカー、ジェッソ、絵画系メディウムはレモン画翠1F、ジェッソ、模型系テクスチュアメディウムは3Fにて販売中です。(※写真中の値札の金額は撮影当時のものです)

ウィンザー&ニュートン(透明水彩)編

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