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妹島和世+西沢立衛/SANAA展 「環境と建築」:観覧レポート

御茶ノ水の画材・建築模型材料店のレモン画翠です。
2021年10月22日(金)よりTOTOギャラリー・間にて開催中の「妹島和世+西沢立衛/SANAA展 「環境と建築」」に弊社スタッフが行ってきました。

こちらの展覧会は、著名な建築家である妹島和世さんと西沢立衛さんの建築家ユニット"SANAA"と、妹島和世建築設計事務所・西沢立衛建築設計事務所の3つの事務所が合同で行っている展覧会です。「環境と建築」をテーマに、現在取り組んでいる日本ならびに世界各地の最新プロジェクトを中心に構成された展示となっています。

ギャラリーのあるビルの入り口に掲示されたポスターを目印に入場(新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、事前予約を行なって入場しました)。
会場は、GALLERY 1(3階)とGALLERY 2(4階)、そしてCOURTYARD(ビル中庭エリア)の3つで構成されています。GALLERY 1では、建築物と周辺環境の関係を示した全体模型を来館者が俯瞰視点で見られるよう、模型を水平に設置。COURTYARDでは、中国にあるプユアンという街の小さな島を所在地とした1/75スケールの模型が広がっています(スタッフが訪れた日は風が強かったせいもあってか、建築物の模型が外されていました…残念…)。そして、COURTYARDの外階段を登った先にあるGALLERY 2では、それまでの2つの会場で展示されているプロジェクトでの具体的な設計段階におけるディテール模型が垂直を意識した方法で展示されています。
ほとんどの展示がケースや接近制限柵のない状態で展示されているため、限りなく近い距離で模型を眺められるところがいいですね。

精巧に作られた建築模型は、どれも異なるスタイル・スケールで作られており、プロジェクトごとに検証方法を臨機応変に変えている事が伺えます。
そして模型の見応えはもちろん、展示作品のキャプションもポイントの一つ。キャプション内では、まず各プロジェクトにおける所在地の地形や特徴に触れ、建築物をどう対応させているか・どういった性質を持たせようとしているのかが分かりやすくまとめられています(元の状態を活かすために考えられたデザイン、というものが好きなスタッフはまじまじと読んでしまいました)。プロジェクトへの理解を深めたい方は、模型や一緒に展示されている映像と合わせて読んでみるといいかもしれません。
また、ギャラリー内に設置された白い球体や銀の椅子によって、ゆるやかに動線を示しているのも印象的でした。

今回の滞在時間はおよそ1時間と限られたものではありましたが、スタッフ以外に来場されている方々も、様々な角度から模型をじっくり見たり、プロジェクトを見た感想について同行者と言葉を交わしたりと、それぞれが展示をきっかけに知見を深めている様子が見られ、とても心地が良く充実した空間でした。

『建築物が風景に溶け込み、やがて環境と人とを繋ぐ場となってほしい』という考えを込めて進められている各プロジェクトを集約した、今回の『妹島和世+西沢立衛/SANAA展 「環境と建築」』。より多くの方に足を運んでみてほしいおすすめの展示です。

■展示情報
妹島和世+西沢立衛/SANAA展 「環境と建築」
2021年10月22日(金)〜2022年3月20日(日)
会場:東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F TOTOギャラリー・間
https://jp.toto.com/gallerma/index.htm