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路上 On the Road

東京国立近代美術館で開催されています「路上 On the Road」に行ってきました。会期は7月31日(日)まで。
長い距離の移動と、長い時間の経過。これこそが路上の経験のエッセンスではないでしょうか。ビート・ジェネレーションのバイブル、ジャック・ケルアックの小説『路上』(1957年)にタイトルを借りたこの小企画では、長い距離と長い時間という二つの要素を、いかにして圧縮し、美術作品の限られた形の中で表現するか、という課題に取り組んだ、さまざまな作品をご紹介します。絵画、写真、映像作品など31点を出品します。
東京国立近代美術館2F「ギャラリー4」の企画展。パウル・クレーの観覧で当日に限り無料です。つまり常設展のさらにおまけみたいな感じなのです。ところがこれがものすごく新鮮でパウル・クレーより良かったかも…。

「道」に関する作品が新旧問わずに展示されています。まず度肝を抜かれるのが、岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》東山魁夷《道》が並べて展示されている部屋。まあ確かに「道つながり」には違いないですが「2点並ぶとはじめてわかる、新しい発見をお楽しみ下さい」と言われても...。四角いキャンバスの中にいかに道を収めたかがポイント。

それにしても《道路と土手と塀》の色彩と量感は素晴らしいです。そして東山魁夷の《道》もこれまたいいのです。ただの二等辺三角形の道かと思っていましたら、画面中心より若干左にずれている「道」は、その先で右に曲がりながら見えなくなり丘の向こうまでうっすらと伸びていきます。観ていると吸い込まれそうになります。実物を前にするとしびれる作品です。

その他には、
  • フロリダの路上で拾った段ボール箱そのままの
     ロバート・ラウシェンバーグ《ポテト・バッズ》
  • 交差点4方向を魚眼レンズで撮った
     奈良原一高の《ブロードウェイ》
  • 道路上に日時を書いた写真の経過を見せる
     野村 仁の《道路上の日時》
  • サンセット・ストリップ通りと銀座銀座中央通りの両側の建物を写真に撮り上下2列に貼り合せた作品。エド・ルシェー《サンセット・ストリップ沿いのすべての建物》約7.5メートル、木村荘八《アルバム銀座八丁》約4.5メートル
など見ていて楽しいものばかりです。解説の小冊子も道のように細長く折り畳まれています。

そして4F〜2Fの所蔵作品展「近代日本の美術」も見どころ満載です(7月31日まで)
の教科書級超有名作品の他にパウル・クレーが9点、カンディンスキー、マティス、デュビュッフェなどもあります。特集コーナーの奈良原一高《王国》《ヨハネス・イッテン版画集》は新しい発見でした。(K)


「路上 On the Road」解説小冊子

岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》1915 東京国立近代美術館 
東山魁夷《道》1950 東京国立近代美術館