お茶の水JAZZ祭 ’11
2011年9月16日
建築模型材料:塩ビ板 カラー
2011年9月21日

空海と密教美術展

東京国立博物館で開催されています「空海と密教美術展」に行ってきました。会期は9月25日(日)まで。

空海は、延暦23年(804)密教を求めて唐に渡り、2年という短期間のうちにその奥儀をきわめます。奥深い密教の教えは、絵画などを用いなければ理解できないと空海自身がいうように、密教では造形作品が重視されます。この展覧会では空海が中国から請来した絵画、仏像、法具、また空海の構想によってつくられた教王護国寺(東寺)講堂諸像など、空海ゆかりの作品、さらに空海の息吹が残る時代に造られた作品を中心に、密教美術の名品を展示します。
  1. 密教美術1200年の原点 その最高峰がトーハクに大集結します。
  2. 展示作品の98.9%が国宝・重要文化財で構成されます。
  3. 全長約12mの「聾瞽指帰」をはじめ、現存する空海直筆の書5件を各巻頭から巻末まで展示します。
  4. 東寺講堂の仏像群による「仏像曼荼羅」を体感できます。
  5. 会場全体が、密教宇宙を表す“大曼荼羅”となります。
5はともかく1〜4はまさにその通り。ちなみに私が観た展示期間は、国宝・重要文化財なんと100%。国宝・重要文化財だからすごいだの言っていたら全部なんですから一点たりとも見逃せない訳です。

セクション割は、
第一章 空海ー日本密教の祖
第二章 入唐求法ー密教受法と唐文化の吸収
第三章 密教胎動ー神護寺・高野山・東寺
第四章 法灯ー受け継がれる空海の息吹
最後は 仏像曼荼羅

雨模様の開館30分前。すでに平成館入口から正門付近までの行列。300人は並んでいたのではないでしょうか。相当の覚悟が必要。とはいえ開館とともに列はスムーズに動きました。

まずは、書聖・王羲之にも比肩する「空海の書」
《聾瞽指帰》そして最も有名な《風信帖》。どちらも混雑でゆっくりとは観られません。絵画と違い水平(やや斜め)に展示されていますので、後ろから遠目に観ることはできません。とにかく突進してチラ見したところで弾き飛ばされる感じです。しかたなく細部は図録で見ました。
国宝《聾瞽指帰》空海筆 平安時代・8~9世紀 和歌山・金剛峯寺蔵

国宝《風信帖》空海筆 平安時代・9世紀 京都・東寺蔵

マンダラでは、金剛峯寺の《両界曼荼羅図》。東寺の《両界曼荼羅図》もとても美しいですが、この4メートル角の曼荼羅には密教宇宙を感じます。平清盛の寄進によって制作されたと伝えられ、清盛が胎蔵界の大日如来の宝冠に自らの頭の血をまぜて彩色したとの伝えから「血曼荼羅」とも呼ばれています。今回観られたは金剛界の方です。

重要文化財《両界曼荼羅図》 平安時代・12世紀 和歌山・金剛峯寺蔵


本格的に仏像様が展示される前の第二章に置かれた《兜跋毘沙門天立像》には誰もが釘付けになります。唐で作られたこの仏像様、平安京の羅城門に安置されていたと伝えられています。お顔や腰の曲線、鎖で編んだ金鎖甲などインド・中央アジア風で素晴らしいです。

第四章からの仏像様は、醍醐寺《如意輪観音菩薩坐像》《五大明王像》、神護寺《蓮華虚空蔵菩薩坐像》《業用虚空蔵菩薩坐像》が良かったかな。それにしても動物に乗っている仏像様が多いこと。水牛、象、馬、孔雀、ガチョウなど。

国宝《兜跋毘沙門天立像》 唐時代・8世紀 京都・東寺蔵






そしてラストは東寺講堂からの「仏像曼荼羅」。導入部にステージがあって上から全体を見渡せ、近くに寄ると360度全体を観ることができます。確かに密教宇宙を表す“大曼荼羅”な演出かも。


トーハクでは「仏像曼荼羅」人気投票中です。現在までの投票結果《帝釈天騎象像》がダントツの一位。二位が《持国天立像》三位が《降三世明王立像》。やはりお顔が涼しげでイケメン風の帝釈天が人気です。私なら《梵天坐像》かな。小指を組んで人差し指を立てる降三世印の降三世明王立像もすごい。なお東寺では中央にある五智如来は、空海の時代に造られたのではないため今回の展覧会には入れなかったとのことです。


《持国天立像(四天王のうち)》《金剛法菩薩坐像(五菩薩のうち)》《降三世明王立像(五大明王のうち)》《増長天立像(四天王のうち)》《梵天坐像》《金剛業菩薩坐像(五菩薩のうち)》《大威徳明王騎牛像(五大明王のうち)》《帝釈天騎象像》 以上全て国宝 平安時代・承和6年(839) 京都・東寺蔵

密教法具や錫杖、仏像と厨子を1つの材から彫り出した仏龕など、これまたどれも素晴らしいものばかり。もう一度とは言わず何回でも観たい。こうなったら京都へ行くしかないな。