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包むー日本の伝統パッケージ展

目黒美術館で開催されています「包むー日本の伝統パッケージ展」に行ってきました。会期は5月22日(日)まで。
本展は、目黒区美術館が1988年に、岡秀行さんより譲り受けた「日本の伝統パッケージ〈包む〉コレクション」を紹介するものです。岡秀行さん(1905-1995)は、戦前よりグラフィック・デザイナーとして活躍する一方で、食料品や菓子折などの容器の美しさに魅了され、収集を始めました。それらは、わが国の風土に育まれた自然素材を生かした包装・容器の類いで、昔ながらの手わざによる素朴な美を持つもの例えば、米俵やわらの苞(つと)や工芸的ともいえる職人技が光る造形美を持つもの例えば、鮨桶や酒瓶などでした。日本人にとっては、生活の中に身近にあるものだったので、あらためて見直すことのなかったものデザインと言ってもいいかもしれません。
《卵つと》山形県


展示スペースは、
第1室 素材別「木」「竹」「笹」「土」「藁」
第2室 素材別「紙」。
第3室 伝統の美/生活の美
第4室 映像コーナー


まずは展示会場の2階に上がる前の1階エントランスに「澤の鶴」の酒樽がお出迎えです。スポーツの祝勝会かタレントの結婚式の映像で見ますが実物を見ると迫力があり神々しい感じです。

約400点あまりの伝統的なパッケージの展示。ひとつひとつは何の違和感もなく見過ごしてしまいそう。始めはデザインの珍しさを見ていますが、やはり人様にお渡しする時に裸ではなくきれいに包む日本人の価値観などを考えます。現在のパッケージ - 安全で衛生的に包装されて手に渡ったらなるべく破棄しやすいもの。とは対極のよう。これがここ数十年の間に変わってしまったことに改めて驚きです。
《澤の鶴》兵庫県/沢の鶴株式会社

このパッケージの蒐集は、あまり学術的ではないところが良かった様な気がします。どのパッケージもストレートにこちらに伝わってきます。岡氏が蒐集し始めた時ですら伝統が失われつつあったことを考えると、こうして見られること自体が奇跡です。同じことが小沢昭一の「日本の放浪芸」にもいえると思います。
あらためて岡さんのコレクションを見直してみると、当時とは違った意味合いも見えてくるようです。数十年前までは用いられていたパッケージが、今ではその材料の入手が困難だったり、それをつくる作り手たちの後継者がなく、完全に作られなくなったものもあるという事実もあります。岡さんのコレクションのほとんどが、木や竹、わら、和紙など自然の素材をもとにしているということもありますが、生活や文化の中で脈々と受け継がれていた手わざや美意識までもが失われてしまったのでしょうか。私たちは、いま一度立ち止まって、豊かだった日本の自然や日本人の心を見つめなおす時期なのかもしれません。
《ささらあめ》宮城県/熊谷屋 《釣瓶鮓》奈良県/釣瓶鮓弥助 《鬼づら》香川県
《濱焼桜鯛》岡山県/株式会社鯛惣 《おひねり》 《真盛豆》京都府/金谷正廣

やはり見所は、卵、魚、海老、餅がみごとに連なった「つと系」でしょう。私は、子供の頃から紐を結ぶのが不得手だったのでどれも驚嘆してしまいます。第3室にある津田梅 作の「結納目録一式」も良かった。映像コーナーの「TSUTSUMI」は、3D映像初体験。水引きを模した図録もなかなかの出来でした。(K)