建築模型材料:スノーマット
2011年6月13日
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2011年6月17日
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ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー

東京オペラシティ アートギャラリーで開催されています「ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー」に行ってきました。会期は6月26日(日)まで。

時代の乾いた雰囲気や、被写体との独自の距離感で知られるホンマタカシの写真。建築、波、東京の子ども、郊外風景など、さまざまなテーマを手がけ、その多くが長い時間をかけてシリーズ化されています。物語や感情を表現することを嫌い、被写体をただ映しとるというドライな視点は、表現か記録かを問われた時代から進んで、そのどちらに寄ることもない「ニュー・ドキュメンタリー」の名にふさわしいものといえます。展覧会「ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー」では、巡回する各美術館ごとに展示作品を少しずつ変えながら、従来のプリントに加え、写真をもとにしたシルクスクリーンや本、さらにドローイング、インスタレーションなど、さまざまなメディアや手法を用いた最新作を紹介し、写真が映し出す現実を通して「見ること」の意味を考え、写真とはいったい何か、に迫ります。

今回見に行くきっかけになったのは、NHK総合「ディープピープル」の《女性の美を撮る写真家》(4/25放送)でした。篠山紀信×ホンマタカシ×梅佳代の3人の写真家による写真術や女性論でしたが、ホンマタカシさんが一人の女の子を撮る現場映像に衝撃を受けました。「対象との独特の距離感」「感情を持ち込むことを避けたクールな視線」などといわれますが、まるで風景を撮るようなアプローチに大変驚きました。4×5で数枚撮るだけです。撮影の帰りには女の子に「まだたくさん写真撮ってない」といわれて苦笑していました。

ただし展覧会では、写真家の作品を見るという感覚はみごとに打ち砕かれてしまいましたけど…。

《Tokyo and My Daughter》では、本人の撮影ではない写真(ファウンド・フォト=見いだされた写真)を再撮影したものを巧妙に配置したり、《Widows》は古いスナップ写真を再撮影したものがまるで中心のようにも見えます。

《re-construction》は、雑誌や広告などで発表されたものを再撮影して作ったモノクロの冊子を自由に見ることができるインスタレーション。冊子に通し番号を付けているのがミソ。※展覧会公式カタログにも収録されています。

《Tokyo and my Daughter》より 2010 《Widows》より 2009 《re-construction》2011

《M》は、マクドナルドの店頭を撮影した写真をシルクスクリーン作品で、床に水平に展示されていて覗き込みようにして見る。

《Together》は、映像作家マイク・ミルズ(テキスト)との共同プロジェクト。写真と別にキャプションにテキストを入るのが通常ですが、写真とテキストがひとつの額の中に収まっているのが新しい感覚です。

雪山での鹿狩りの痕跡を追った《Trails》。雪の中に動物の血痕が飛び散っているが、もしかしたら単に赤いインクかもしれない。私はキャンバスにアクリルで描かれたドローイングがとても印象的でした。

《Short Hope》は、写真家・中平卓馬氏のヴィデオ・インスタレーション。

《M / Washington D.C.》2009 / 2010 《Together》より 2007 《Trails》より 2010

なんか説明するのがものすごく虚しい。やはり実際に見てもらわないと。とはいえ一番の収穫は展覧会公式カタログ。展示作品の図版・解説、エッセイなどのほかプロフィールやいままでの作品・経歴が充実しています。私のようなホンマタカシ初心者にはとてもありがたいです。MOTアニュアルに出ていたんですね。

展覧会公式カタログ 表紙/裏表紙、中ページ《Trails》、中ページ《M》

「図録が最後の展示室のつもり」ということで新作の1シリーズが巻末に載っています。関連企画の Satellite 9 もおもしろい試みでした。