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パウル・クレー おわらないアトリエ

東京国立近代美術館で開催されています「パウル・クレー おわらないアトリエ」に行ってきました。会期は7月31日(日)まで。

国立近代美術館で初となる今回のクレー展では、今までの展覧会成果を踏まえた上で、これまでクローズアップされてこなかった「クレーの作品は物理的にどのように作られたのか」という点にさまざまな角度から迫ります。この観点から作品を見てみるならば、視覚的な魅力を体感できるのみならず、その魅力がいかなる技術に支えられているのか、ということまでもが明らかになるでしょう。 クレーは、アトリエ写真というかたちで記録に留めたり、自ら「特別クラス(Sonderklasse)」と分類した作品を模範作として手元に置いたりしながら、生涯にわたって検証し続けました。 具体的な「技法」と、その技法が探究される場である「アトリエ」に焦点を絞り、クレーの芸術の創造的な制作過程を明らかにしようする本展において、鑑賞者は、ちょうど画家の肩越しに制作を垣間見るような、生々しい創造の現場に立ち会うことになるでしょう。 

セクションは、
0.自画像
1.現在/進行形 アトリエの中の作品たち
2.プロセス1 写して/塗って/写して 油彩転写の作品
 プロセス2 切って/回して/貼って 切断・再構成の作品
 プロセス3 切って/分けて/貼って 切断・分離の作品
 プロセス4 おもて/うら/おもて 両面の作品
3.過去/進行形 特別クラスの作品たち

「アトリエの中の作品たち」はクレーが頻繁に撮ったアトリエ内の写真とそこに映っている作品が展示されています。

花ひらく木》を左に90度回転させて2倍に拡大すると《花ひらいて》になる
《花ひらく木》1925 東京国立近代美術館 《花ひらいて》1934 ヴィンタートゥーア美術館  

プロセス1〜4は、この展覧会の真髄「クレーの作品は物理的にどのように作られたのか」です。

担当学芸員 三輪健仁氏 × 建築家 西澤徹夫氏 「展示方法について」にも書かれています迷路のような展示空間に入ります。

もう当然ながらプロセスの順番に行くってことはなくて、もうほとんどの方がめちゃくちゃに進んでいきます。まあ各プロセスの最初には簡単なビデオ説明があるのでだいたいはわかります。ようするに、写しても/切っても/回しても/貼っても/おもても/うらも/何でもOKっということ。

ただそのパズル的なものに夢中になりすぎ、落ち着いて作品が見られなかった気もしました。

《ドクター・バルトロ1921/5のための素描》1921 パウル・クレー・センター
《バルトロ:復讐だ、おお!復讐だ!》1921 個人蔵

《なおしている》1940 チューリヒ美術館 《マネキン》1940 個人蔵

「特別クラスの作品たち」は、売らずに手元に残した作品。自分自身のため、妻や家族のため、新たな作品を生み出すためのプライベートな作品群です。やはり他の作品とは趣きがちょっと違います。

《襲われた場所》1922 パウル・クレー・センター
《山のカーニヴァル》1924 パウル・クレー・センター

改めて驚いたのはパウル・クレーの人気です。特に年齢層を問わず女性たちから。めったに絵画を見ることなどないのにパウル・クレーは見たいと…。小さな子が描いたような無垢な絵、絵本に出てくるような可愛らしい絵、積木の組み合わせのような絵。何故だかやさしい気持ちにさせるのでしょうか。私はパウル・クレーっていうと難しくてちょっと身構えてしまいますけど。

会場では幼稚園〜小学校低学年の女の子とお母さんそしておばあちゃんの3世代組も多かったです。「クレーの絵を見せて芸術に目覚めるのでは」という親心なのでしょうか。でも実際には飽きちゃいますし、おばあちゃんがお守役になってお母さんが一人ゆっくりと見ている感じでした。

次回、同時に見ました企画展「路上 On the Road」を載せる予定です。(K)