第34回レモン展 作品集バックナンバー
2011年5月9日
ヘンリー・ダーガー展
2011年5月14日

アール・ブリュット・ジャポネ展

埼玉県立近代美術館で開催されています「アール・ブリュット・ジャポネ展」に行ってきました。会期は5月15日(日)までです。
カラフルな色使い、力強い描線、大胆な発想、そして文字や身の周りのものへのこだわりー正規の美術教育をうけていないひとたちがつくりだすユニークなかたち。自由な着想とつくるよろこびから生まれた作品を前にすると、いつしか見るひとのこころの中にも楽しくのびやかな気持ちが生まれてくるのがわかります。さまざまな文化の違いを超えた純粋な創造ー「アート・ブリュット(生の芸術)」は、フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェがつくったことば。本展は、2010年春から2011年初頭までパリ市立アル・サン・ピエール美術館で開催された展覧会「アール・ブリュット・ジャポネ」の凱旋展。総勢63人の日本人作家による作品が里帰り。600点を超える作品がいよいよ国内でも公開です。

デュビュッフェが「アート・ブリュット」を提唱して作品を収集し始めたのが1945年。すでに70年近い歴史があります。アメリカでは「アウトサイダー・アート」の名称で広がりました。日本では「知的障害者や精神障害者のアート」として福祉の枠内に留まっていた作品が注目されています。フランスとアメリカで微妙なズレがあるみたい。また日本国内でも各地の施設や団体がさまざまな方法で作品を世に出そうと工夫している様子です。

大部分の作品は、スピリットアートミュージアム(SAM)で見ることができます。どの作品も素晴らしかったですが、私の気になったのは、

上田 志保さん 「こゆびとさん」がどこまでも続いていきます。
喜舍場 盛也さん 漢字をグラフィックとして描く。
木村 茜さん この鉛筆画とても好きです。これを1枚2〜3分で描くとは!!
齋藤 裕一さん 実物を見ると重層感がすごい。まさに現代アートです。
舛次 崇さん とても不思議なパステル画。味わいがあります。
辻 勇二さん 下書きなしにパースやアクソメのように自分の町を描く。
土屋 正彦さん 彼の創造する物語。ヘンリー・ダーガーよりいいかも。
富塚 純光さん 新聞紙に文字と絵が入り乱れてストーリーになっている。
畑名 祐孝さん 非常に力強い線と面。抽象絵画そのもの。
戸來 貴規さん これは日記であり、文字なのです。

今回は以下の書籍・図録を参考にしました。

われら孤独な幻視者なり! アール・ブリュットの驚くべき世界 芸術新潮2005年11月号

アートの常識を超えろ! アウトサイダー・アートの愛し方 美術手帖2007年7月号

アール・ブリュット・ジャポネ 公式図録

この勢いで同じく会期は5月15日(日)までのラフォーレ・ミュージアムの「ヘンリー・ダーガー展」を続けます。(K)