建築模型材料:板段ボール
2012年3月19日
新色オリジナルトートバッグ
2012年3月23日

今和次郎 採集講義展

パナソニック汐留ミュージアムで開催されています「今和次郎 採集講義展 」に行ってきました。会期は3月25日(日)まで。
青森県弘前市に生まれた今和次郎は、昭和初期の急速に大都市化していく東京の街の様子や人々の生活の変化を採集・分析した「考現学」の創始者として知られています。また、民俗学者の柳田國男らがつくった民家研究の会「白茅会」の活動に参加したことをきっかけにはじめた民家研究の分野でも重要な足跡を残しました。一方、関東大震災直後の街頭に出て、急ごしらえのバラック建築をペンキで装飾した「バラック装飾社」の活動もありました。さらに戦後になると、日常生活を考察する「生活学」や「服装研究」といった新しい学問領域も開拓していきます。本展は工学院大学図書館の今和次郎コレクションに所蔵される膨大かつ多彩な資料の中から今和次郎のユニークな活動を紹介する初の本格的な回顧展です。

セクション割りは、
1. 農村調査・民家研究の仕事
2. 関東大震災ー都市の崩壊と再生、そして考現学の誕生
3. 建築家、デザイナーとしての活動
4. 教育普及活動とドローイングのめざしたもの

農村調査・民家研究は、柳田國男らの民家研究「白茅会」の活動に東京美術学校図按科(今で言うとデザイン科か)での絵の腕を見込まれて調査に参加。その後は自身で調査は続けて成果を「日本の民家」として発表しています。

スケッチは緻密かつ明解で素晴らしいものばかりです。写真資料だけではこうはいかないでしょう。独自の視点で描き込まれているディテールはずっと見ていても全く飽きません。フリーハンドでささっと書かれているように見えますが、インキングもしっかりしていてそのまま印刷原稿にもなっています。
span style="font-size: x-small;">「雪に埋れる山の村の家 (新潟県中頸城郡関川)」 1917年



大正12年の関東大震災の直後から震災バラックの調査を行ない、その中で「バラック装飾社」と立ち上げて文字通り看板デザインを行なう。装飾されたプリミティブな文様を見るとかなり奇抜です。建築装飾などを行なったダダグループ「MOVO」も確か同じ時期。やはり時代がそうさせるのでしょうか。
バラック装飾社「東條書店 (外観) 」1923年



銀座を歩く男女の服装や容姿など100項目以上を調べた「東京銀座風俗記録」や考古学に対して現在に調べるという意味で名付けた「しらべのも[考現学]展」を開催する。展示の一角に当時の展覧会を模したコーナーがあり、皆さんじっくりと見ています。

「東京銀座街風俗記録 統計図索引」1925年 「銀座のカフェー服装採集1」1926年

私は作品として見ていましたので「着物の人もたくさんいるんだ」とか調査内容について話されている方の多さにちょっと驚きでした。よく考えてみると、これがエクセルデータの表だとしたらほとんど誰も関心を示しませんし、かといって「おじさん図鑑」のようなカテゴライズともちょっと違うかな。“ひろい心でよくみる” 今和次郎の「考現学」の魅力がみんなを引きつける気がしました。

展覧会の後半では建築家・デザイナー、教育者として一面が紹介されています。弟の今純三のエッチング作品も数点展示されています。これがよかった。