第35回レモン展 概要
2012年4月27日
建築模型材料:グランドフォーム
2012年5月7日

ジャクソン・ポロック展

東京国立近代美術館で開催されています「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」に行ってきました。会期は5月6日(日)まで。

ジャクソン・ポロック(1912〜1956)の生涯はまさにアメリカン・ドリームの明暗そのものでした。1930年代ニューヨーク、不安定な精神状況とアルコール依存に苦しみながらも研鑽を積んだポロックは、一夜にしてヒーローとなったのです。床に広げた大きなキャンバスに絵具をふり注いで描く「アクション・ペインティング」で、彼は全米的な注目を集めます。絶頂期の1950年、歴史に残る大作が何点も生まれます。しかしそのわずか数年後、彼は自動車事故で流星のように去っていきました。この展覧会には、初期から晩年にいたるそれぞれの時期の代表的作品を含む約70点が出品されます。語られることこそ多かったものの、これまで日本では本格的な展覧会を見ることができなかった画家、ポロックの真の実像に出会える絶好の機会となることでしょう。

日本での本格的なポロック展はこれが初めて。そして目玉となるのはイラン革命以来門外不出になったテヘラン現代美術館からの《インディアンレッドの地の壁画》。最新の保険評価額は200億円。価格もさることながらイランに直接行かない限りもう観られることはないでしょう。今回の貸出では、国が損害の一部を保証する「展覧会における美術品損害の保証に関する法律」が適用とのこと。また現在、確認されているポロック国内所蔵作品すべてが展示されています。

セクション割りは
第1章 1930-1941年:初期 -自己を探し求めて-
第2章 1942-1946年:形成期 -モダンアートへの参入-
第3章 1947-1950年:成熟期 -革新の時-
第4章 1951-1956年:後期・晩期 -苦悩の中で-

第1章の初期では、ピカソやネイティブ・アメリカンの芸術、第2章の形成期ではミロやマチスに影響を受けたと思われる作品が並びます。言われなければポロックの作品とは思えない感じもします。ポストカードはけっこう売れていた。これがいい感じなのです。

次のセクションに移る間にポロックのアクション・ペインディングの映像が流れています。これでは絶対に腰がボロボロになります。ポロックも若かったからできたんじゃないかと思います。

巨大書道のように半紙の上で書くことなく、ほとんどキャンバスの回りから前屈みの姿勢のままポーリングし続けます、そして何度も重ね塗り。終いには筆を振って撒き散らすスパッタリングも駆使します。とにかく体力勝負であることには違いない。

閑和休題。
第3章成熟期でいよいよポロックの真髄に触れることになります。部分も全体もなく均一に隙間無く絵具を埋め尽くす「オールオーヴァー」な構成に塗料を流し込む「ポーリング」の技法。全く新しい次元の絵画がそこに現れています。こんなに何度も遠くや近くで観たりするのは初めてです。

《ナンバー7,1950》1950年、ニューヨーク近代美術館

《インディアンレッドの地の壁画》1950年 テヘラン現代美術館

200億円だからと思いきや何故か皆さん遠巻きです。価格にビビっているでしょうか。私も価格ばかり話題になるのでちょっとなあ思っていましたが、間近で見るとものすごい世界が広がっています。(上のチケットの図柄は拡大した部分)

第4章の後期・晩期では、いままでを否定するようなブラックポーリング作品です。まるで仏画のような感じがします。

《ナンバー11,1951》1951年 ダロス・コレクション

不安定な精神状態、アルコール依存、一夜にして上り詰めたスターダム、スランプとの闘いそして自動車事故でのあっけない死。享年44歳。その生きざまはジェームズ・ディーンとも比較されるロックスターのようです。一時ほど注目されなくなっているように感じていましたが本当に観てよかった。