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「具体」ニッポンの前衛 18年の軌跡

国立新美術館で開催されています「具体」ニッポンの前衛 18年の軌跡 に行ってきました。会期は9月10日(月)まで。

具体美術協会(具体)は、1954年、吉原治良をリーダーに関西在住の若い美術家たちで結成された前衛美術グループです(1972年解散)。グループ名は「われわれの精神が自由であるという証を具体的に提示したい」という思いをあらわしています。「具体」は「人のまねをするな」「これまでになかったものを作れ」という吉原の厳しい指示のもと、奇想天外な発想でユニークな作品を次々と生み出しました。それらは当時、国内ではほとんど注目されませんでしたが、欧米では注目を集め、解散後も、ヨーロッパの美術館では"GUTAI"の回顧展が何度も企画されています。日本でも1980年代になって再評価が進み、関西を中心に回顧展が開かれてきましたが、残念ながら東京ではこれまでその18年間の活動の全容を振り返る場は一度もありませんでした。「具体」が駆け抜けた1950〜60年代は、日本が敗戦から立ち直り、右肩上がりの経済成長により奇跡的な復興を遂げた時代でもありました。本展ではそんな時代を象徴するかのようなチャレンジ精神、創造的なエネルギーあふれる作品を一堂にご紹介します。

セクション割は、
第1章 プロローグ 1954年
第2章 未知の美の創造 1955ー1957年
第3章 ミスターグタイ=吉原治良
第4章 「具体」から"GUTAI"へ 1957ー1965年
第5章 新たな展開 1965ー1971年
第6章 エピローグ 1972年


すでに展覧会の入口から作品が始まっています。

村上三郎《入口》1956年 2012年村上知彦による再制作
《入口》に過ぎると、まず目に飛び込んでくるのが1955ー56年に芦屋公園で行なわれた「野外具体美術展」の作品。バネを仕込んだ不安定な踏み台を歩く嶋本昭三《この上を歩いてください》などを始め、公園の環境と一体となったインスタレーション作品。今の眼で見てもかなり独創的です。 その後は1955年の「第一回具体美術展」の作品。こちらは平面作品やオブジェがメイン。色とりどりの管球が不規則に点滅する田中敦子《電気服》のほか、
  • 素足で絵具を塗る
  • ただのシミの様なもの
  • 絵具をガスで噴射して描いたもの
  • 子どもに描いた様な配線図
  • 赤のメタリックなブリキ缶を並べた
  • 絵具を滴らせる電気自動車に描かせる
  • 木の箱に耳を当てるとカチカチと音がする
  • スイッチを押すと2m間隔で繋がっているベルが順番に鳴る
文字にすると何のことかと思いますが、実際に見るとどの作品も圧倒されます。1957ー58年に行なわれて「舞台を使用した具体芸術」のパフォーマンス映像も驚きです。ここまでが第2章の未知の美の創造。初期の作品はかなり濃密です。 第3章では吉原治良自身の作品。第4章以降では、アンフォルメルの中心人物ミシェル・タピエに認められて、欧米で展覧会に開いていくことになります。第5章は、1962年に芦屋に建てられた展示施設「グタイピナコテカ」を模して作品が並べられています。初期のインスタレーション作品やパフォーマンス的なのは影を潜め、絵画や平面作品が中心になっていきます。  そして1970年の万国博覧会お祭り広場における「具体美術まつり」の記録映像。《スパンコール人間》《毛糸人間》《親子ロボットとプラスチックカー》などだれもが楽しめる壮大なパフォーマンスショーです。 吉原治良が死去する1972年をもって「具体」は解散になります。 前衛芸術といっても難解な感じはせず、時にはおかしみもあり素直に受け入れられる作品が多いです。そして展覧会会場の外にあるもうひとつの作品。
元永定正《作品(水)》1955年 2012年川嶋守彦・元永紅子による再制作
いつもの1Fのカフェ・コキーユで「具体」展特別ドリンク「ストロベリー・ラテ・フロート」で休憩です。
色彩豊かな円と曲線が絡み合う、前衛的な作風で知られる田中敦子さんの《作品》をイメージしたドリンク。ラズベリーシロップとミルクにエスプレッソを注いで、ストロベリーアイスを添えました。エスプレッソのほろ苦さ、ミルクの甘味、ラズベリーの酸味が絡み合い、絶妙な味わいを作り上げます。